SNSのやり取りは不倫の証拠になる?証拠として認められる条件・保存方法・注意点を弁護士が解説

「夫のスマートフォンに、知らない女性との親密なLINEのやり取りを見つけてしまった」「妻がインスタグラムのDMで不倫相手と連絡を取り合っているようだ」――。当法人には、立川・八王子などの多摩地域を中心に、東京全域の方から、このようなご相談が数多く寄せられています。

SNSのやり取りは、不倫(不貞行為)の証拠になるのでしょうか。結論からいえば、内容次第では慰謝料請求や離婚の有力な証拠になり得ます。

もっとも、SNSのやり取りだけでは立証として不十分と判断される場合や、証拠の集め方を誤ったためにかえって不利な立場になってしまう場合もあります。

本記事では、SNSのやり取りが不貞行為の証拠として認められる条件、証拠力を高める保存方法、収集の際にやってはいけないNG行動について、弁護士が実務経験を踏まえて解説します。

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SNSのやり取りは不倫(不貞行為)の証拠になるのか

慰謝料請求に必要な「不貞行為」とは|肉体関係の立証が原則

法律上、慰謝料請求や裁判離婚の原因となる「不貞行為」とは、配偶者以外の者と自由な意思で肉体関係(性交渉)を持つことをいいます。不貞行為は民法770条1項1号の法定離婚事由であり、不法行為(民法709条・710条)として損害賠償請求=慰謝料請求の根拠にもなります。

重要なのは、二人きりで食事をした、頻繁に連絡を取り合っていたという事実だけでは、原則として不貞行為とは認められないという点です。証拠を検討する際は、「そのやり取りから肉体関係の存在を推認できるか」が最大のポイントになります。

結論:SNSのやり取りは証拠になり得るが、内容次第

LINEのトーク履歴やインスタグラムのDMなども、民事裁判では原則として証拠として提出できます。近年の裁判実務では、SNSのやり取りを重要な証拠として不貞行為を認定する事案が増えています。

スマートフォンの画面を操作する手

もっとも、証拠として提出できること(証拠能力)と、裁判官がその証拠から不貞行為を認定すること(証明力)は別の問題であり、どの程度肉体関係を推認させる内容かによって、証拠としての価値は大きく変わります。

SNSのやり取り単体では不十分となるケース

「好き」「会いたい」といった愛情表現のみのやり取りは、親密な関係はうかがえても肉体関係までは立証できず、「仲の良い友人にすぎない」「冗談で送っただけ」と言い逃れをされる余地が残ります。

当法人が実際にお受けしたご相談でも、愛情表現中心のトーク履歴のみを根拠に交渉を始めた結果、相手方に不貞行為を全面的に否認され、補強証拠の収集からやり直すことになったケースがあります。手元のやり取りがどの程度の証拠価値を持つのかは、行動を起こす前に弁護士に評価してもらうことを強くおすすめします。

証拠として価値が高いSNSのやり取りの具体例

肉体関係を推認させる内容ほど、証拠としての価値は高くなります。特に以下のようなやり取りは有力です。

肉体関係を直接うかがわせるメッセージ

性行為があったことが文面から読み取れるやり取り(行為の感想を述べ合うメッセージ、ホテルでの出来事に言及するメッセージなど)は、それ自体が不貞行為の有力な証拠となり得ます。

宿泊・ホテル・旅行など不貞行為を推認させるやり取り

日時や場所を特定できる形でホテルや宿泊旅行の約束をしているやり取りは、ホテルの領収書、クレジットカードの利用明細、交通系ICカードの履歴などの客観的資料と突き合わせることで、肉体関係を強く推認させる証拠になります。

不倫の期間・回数・悪質性を示すやり取り(慰謝料増額の要素)

不貞行為の期間が長く回数が多いほど、また態様が悪質であるほど、慰謝料は高額になる傾向があります。

長期間にわたるやり取りの履歴や、配偶者との離婚を画策するような会話は、悪質性を裏付ける材料として慰謝料の増額につながる可能性があるため、決定的な内容でなくても保存しておく価値があります。

証拠として弱いSNSのやり取りの具体例

ハートマークの多用、二人きりの食事の約束、好意を伝えるだけのメッセージは、恋愛感情の存在を示すにとどまり、単体では証拠価値が低いといえます。

ただし、他の証拠と組み合わせれば全体として肉体関係を推認させる補強材料になり得るため、「弱い証拠だから」と軽視せず保存しておきましょう。

SNS別にみる証拠収集のポイント

利用されているSNSの種類によって、確認すべきポイントは異なります。

LINE|トーク履歴・アルバム・ステータスメッセージ

不倫の連絡手段として最も多く用いられるのがLINEです。トーク履歴のほか、アルバムに保存された写真や通話履歴も手掛かりになります。また、不倫相手に慰謝料を請求する場面では、相手が「既婚者と知らなかった」と反論してくることがありますが、配偶者のステータスメッセージやアイコンから既婚者であることが分かる場合、その画面自体が故意・過失を裏付ける証拠になることもあります。

Instagram・X(旧Twitter)|投稿・ストーリー・裏アカウント

公開アカウントの投稿やストーリーを自分のアカウントから閲覧・保存することは、法的な問題が生じにくい証拠収集の方法です。位置情報付きの投稿や二人で写った写真は、トーク履歴と日時を突き合わせる材料として有用です。匿名の裏アカウントで不倫相手とつながるケースも増えているため、フォロー欄も確認してみましょう。

マッチングアプリ・その他のメッセージアプリ

マッチングアプリ経由の不倫では、配偶者自身が相手の本名や住所を知らないことも珍しくありません。この場合でも、電話番号などの手掛かりがあれば、弁護士会照会という制度を利用して契約者情報を照会し、相手を特定できる可能性があります(後述します)。

SNSの証拠を正しく残す方法

証拠は「残せばよい」というものではなく、残し方次第で証拠力が大きく変わります。

スクリーンショット・画面撮影の際に必ず写すべき情報

証拠として保存する際は、以下の3点が分かるようにしてください。

  • メッセージの送受信日時
  • 相手のアカウント名・ID
  • 前後の文脈

日時は不貞行為の期間・回数の立証に、アカウント情報は不倫相手の特定に役立ちます。会話の一部だけを切り取ると「文脈が違う」と反論される余地を与えるため、やり取りの流れ全体を残すことが大切です。

改ざん・捏造を疑われないための保全方法

スマートフォンの画面を見て驚いた表情の女性

スクリーンショットは手軽な反面、画像加工が容易であるため、相手方から「改ざんされたものだ」と信用性を争われることがあります。可能であれば、配偶者のスマートフォンに表示させたトーク画面を、ご自身のスマートフォンやカメラで動画として撮影する方法が、改ざんの疑いを減らすうえで有効です。

当然のことですが、証拠の捏造・改ざんは絶対にしてはいけません。発覚すれば提出した証拠全体の信用性が失われ、請求が認められなくなる恐れがあります。加えて、態様によっては、刑事責任が問題となる場合もあります。

削除されてしまった場合の対処法と限界

LINEのトーク履歴は簡単に削除でき、削除後の復元は技術的にも法的にもハードルが高いのが実情です。運営会社に対する開示請求も、不貞行為の立証目的では通常困難です。

怪しいやり取りを発見したら、配偶者に気付かれないよう速やかに保全することが何より重要です。

証拠収集の注意点|やってはいけないNG行動

証拠を集めたい一心で、かえって自分が法的リスクを負ってしまう方もいらっしゃいます。以下の行動には特に注意してください。

  • 配偶者のスマホを無断で見る(プライバシー侵害のおそれ)
  • IDやパスワードを使った無断ログイン(不正アクセス禁止法違反のおそれ)
  • 証拠が揃う前に問い詰める(証拠隠滅を招くおそれ)

配偶者のスマホを勝手に見るのは違法?|プライバシー侵害のリスク

「勝手にスマホを見てしまったが、違法にならないか」というご質問は、当法人のご相談でも特に多いものです。夫婦間であっても、相手のスマートフォンを無断で見ることは、理論上プライバシー侵害にあたり得ます。もっとも、不倫を疑う相当な事情がある場合に、実際に損害賠償責任が認められる例は多くありません。

また、民事裁判では、収集方法に多少の問題があっても、著しく反社会的な手段によるものでない限り、証拠能力は否定されないこともあります。過度に心配する必要はありませんが、一定のリスクを理解したうえで慎重に行動しましょう。

IDやパスワードを使ったログインは不正アクセス禁止法違反のおそれ

特に注意が必要なのは、配偶者のIDやパスワードを無断で使用してLINEやSNSにログインする行為です。これは不正アクセス禁止法違反として刑事罰の対象となるおそれがあり、絶対に避けるべきです。監視アプリ(スパイアプリ)を配偶者のスマートフォンに無断でインストールする行為も、同様に刑事罰の対象となるおそれがあり、避けるべきです。

証拠が揃う前に問い詰めない|証拠隠滅を防ぐ

不倫の兆候を見つけると、すぐに問い詰めたくなるのが自然な感情です。しかし、中途半端な段階で証拠を見せてしまうと、相手が警戒し、トーク履歴の削除や不倫相手との口裏合わせといった証拠隠滅を図るおそれがあります。十分な証拠が揃うまで冷静に行動することが、結果的にご自身の利益を守ることにつながります。

SNSの証拠だけで足りないときは|補強証拠との組み合わせ

組み合わせたい客観的証拠

SNSのやり取りという「点」の証拠に客観的証拠を重ねることで、言い逃れの余地のない立証が可能になります。代表例は以下のとおりです。

  • ラブホテルや不倫相手宅への出入りを撮影した写真・動画
  • 探偵事務所の調査報告書
  • ホテルの領収書やクレジットカードの利用明細
  • 配偶者が不貞行為を認めた場面の録音

どの証拠をどこまで集めるべきかは事案により異なるため、費用対効果も含めて弁護士にご相談ください。

不倫相手の氏名・住所が分からない場合の特定方法(弁護士会照会)

慰謝料を請求するには、相手の氏名・住所を特定する必要があります。LINEの表示名がニックネームで本名が分からない場合でも、電話番号などの手掛かりがあれば、弁護士会照会(弁護士法23条の2に基づく照会制度)により携帯電話会社などに契約者情報を照会し、相手を特定できる場合があります。これは弁護士に依頼した場合に利用できる、探偵調査にはない法的手段です。

不倫慰謝料請求

もっとも、照会先には回答義務はないため、照会先が回答を拒否する場合もあり、必ずしも特定できるとは限りません。

SNSで不倫の証拠を見つけたら弁護士に相談を

弁護士に相談するメリット|証拠の評価・適法な収集・交渉の代理

手元のSNSのやり取りがどの程度の証拠価値を持つのか、追加でどのような証拠を集めるべきか、どのような方法なら適法か――こうした判断には法的な知識と経験が必要です。弁護士に相談すれば、法的リスクを避けながら証拠を揃え、内容証明郵便による慰謝料請求、交渉、訴訟まで一貫したサポートを受けることができます。

なお、反対に身に覚えのない不倫慰謝料を「請求された」側の方も、LINEの履歴を慌てて削除するなどの対応はかえって不利に働くおそれがあります。請求された場合の対応についても、当法人にご相談いただけます。

立川・八王子などの多摩地域を中心とした東京全域の不倫・慰謝料のご相談は当法人へ

当法人は、立川・八王子などの多摩地域を中心に、東京全域の皆さまから、離婚・不倫慰謝料に関するご相談を数多くお受けしてきました。地域に根ざした法律事務所として、証拠の評価から解決まで、お一人おひとりの事情に応じたサポートをご提供します。

まとめ

SNSのやり取りは、内容次第で不貞行為の有力な証拠になり得ます。ポイントは、以下の4点です。

  • 肉体関係を推認させる内容であること
  • 日時・アカウント・文脈が分かる形で保存すること
  • 不正アクセスなどの違法な収集方法を避けること
  • 弱い証拠は補強証拠と組み合わせること

ご自身の判断だけで行動すると、証拠隠滅を招いたり、思わぬ法的リスクを負ったりするおそれがあります。弁護士への相談を迷われている方は、一度、東京弁護士法人までお問い合わせください。


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