遺言書が無効だと言われている…有効性を主張するには?

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遺言とは

「遺言」とは、亡くなった方(遺言者)が「自身の財産を誰にどのように分配するのか」について、生前に明確な意思表示を行うためのもので、この意思表示を書面という形で残したものが「遺言書」です。

遺言書が存在する場合、相続は原則としてその内容に従って行われます。つまり、遺産の分配方法について、法律で定められた法定相続分(民法で定められている各相続人の取り分の割合)よりも、遺言者自身の意思が優先されることになります。そのため、あらかじめ遺言書を作成しておくことで、誰がどの財産を取得するのかが明確になり、相続手続きが円滑に進みやすくなります。

一方で、特定の相続人に偏った内容は、他の相続人の不満を招き、遺留分侵害額請求(法律上保障された最低限の取り分の支払いを請求すること)などの紛争に発展するおそれがあるほか、自筆証書遺言(遺言者が手書きで作成した遺言書)では、形式の不備や遺言能力の有無を巡って有効性が争われることも少なくありません。

本記事では、遺言書が無効だと主張された場合の対応方法について、詳しくご説明いたします。

遺言書の有効性とは

日本の民法では、遺言書を法的に有効なものとするために、いくつかの厳格な条件が定められています。まず、遺言書を作成できるのは、満15歳以上の者に限られています。

また、遺言書には決められた形式があり、「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」のいずれかの方法で作成しなければなりません。

それぞれの形式には特徴と要件があり、例えば自筆証書遺言の場合、遺言者が全文を自分の手で書き、日付と署名を記載し、押印する必要があります。この形式は比較的手軽に作成できる一方で、形式不備によって無効となるリスクもあるため、注意が必要です。

遺言書が無効と言われてしまう主なケース

まずは「なぜ無効だと言われるのか」を整理しましょう。主な理由は以下の5つです。

① 法律が定める方式を満たしていない
  1. 自筆証書遺言で本人が全文を書いていない
  2. 日付や署名がない
  3. 押印がされていない
  4. 内容に訂正がある場合、訂正箇所に署名や押印がない

これらは 形式不備で無効とされる典型例 です。

② 遺言者に遺言能力がなかった

遺言書を書くには法律上の能力(判断力)が必要です。認知症などで意思能力が欠けていた場合、無効とされることがあります。ただし、認知症だから必ず無効とは限らず、当時の精神状態や行動、判断力全体から総合的に判断されます。

③ 遺言内容が公序良俗に反する

例えば、違法行為を助長する内容や重大な社会倫理に反する内容は無効になります。

④ 錯誤・詐欺・強迫がある場合

遺言者が騙されたまま意思表示したり、だれかに脅されて書いたりした場合、取り消しや無効主張の対象になります。

⑤ 偽造された遺言

遺言書そのものが偽造されたと判断される場合は当然無効となります。

有効性を主張する際の流れ

STEP
形式の適正を確認する

まずは遺言書の形式を確認しましょう。遺言が自筆証書遺言なら、民法第968条が求める【全文・日付・氏名の自書と押印】があるかをチェックします。これが欠けていれば、原則として無効になる可能性があります(なお、財産目録のみパソコンなどで作成したデータや書類添付でも可能です)。

ご自身だけでの確認に不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家への相談をおすすめいたします。

STEP
遺言能力の有無を立証する

遺言作成時の精神状態に疑義がある場合、「遺言能力」を争点として裁判所で事実関係を主張・立証します。認知症等が問題となる場合、医師の診断記録、遺言前後の言動などを総合して判断する必要があります。

しかし、これには専門的知識が必要であり、ご自身だけで裏付け資料を揃えるのは難しいことが多いです。

STEP
調停・訴訟の手続き

遺言書の有効性を巡って争うには、「遺言無効確認調停」を家庭裁判所で行うのが一般的です。

調停による話し合いで合意できない場合、地方裁判所で 遺言無効確認訴訟 が行われます。訴訟では、遺言書の形式・遺言能力・遺言書に関する事情の証拠など、様々な事情や証拠が必要になります。

自分で対応するリスク

遺言が無効だと言われてしまうと、相続人同士の感情的対立が激しくなり、冷静な話し合いが難しくなります。

遺言執行者への報酬

さらに、遺言書の有効性の確認には、法的・医学的な専門知識や戦略が必要になるため、形式要件の確認から証拠収集、調停・訴訟対応などをすべてご自身で進めるのは難しいかもしれません。

その点、弁護士に依頼をすることで、遺言書の法的評価から必要な証拠の収集・分析、裁判所での調停・訴訟対応や相続人全体の利益調整といった包括的な支援を受けることができます。

最後に

弊所では数多くの相続に関する案件を取り扱っており、経験豊富な弁護士がサポートさせていただきます。遺言の有効性や、その他相続に関するお困りごとをお持ちの方は、ぜひ一度東京弁護士法人までご相談ください。

執筆者東京弁護士法人

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