遺産相続による財産の分配方法とは

遺産相続の分配方法は大きく2つに分かれます。
①遺言書に従って分配する
相続では、基本的に被相続人(亡くなられた人)の意思が尊重されます。そのため、被相続人が遺言書を残している場合、被相続人が遺言書で指定した人・方法に従って遺産を分配することになります。
②遺産分割協議を行って分配する
被相続人が遺言書を残していない場合や、遺言書によって分配方法が決まっていない遺産がある場合などには、遺産分割協議を行い、相続人(法定相続人)全員で話し合った結果、誰がどのように遺産を相続するのかを決めます。遺産分割協議で遺産を分配するときには、法定相続分(法定相続割合)を参考にします。
裁判所の手続きを利用して分配する場合も
①遺言書に従って分配する方法や、②遺産分割協議を行ったが、分配方法がまとまらない場合、遺産分割調停や遺産分割審判という裁判所を介した方法で分配をすることになります。
遺産分割調停は相続人(法定相続人)全員が合意した場合に限って成立するものですが、遺産分割審判は当事者の意思に関係なく、裁判所が判断します。
法定相続分(法定相続割合)とは
民法では、遺産の分け方について目安となる分配割合を定めており、これを法定相続分や法定相続割合といいます。法定相続分(法定相続割合)は、被相続人と関係の近い者ほど遺産の取り分が多くなるように定められています。


また、法定相続分(法定相続割合)は、配偶者とそれ以外の相続人(法定相続人)が一緒に遺産を相続する場合か、配偶者やそれ以外の相続人が単独で相続する場合かなどによって大きく異なります。
もっとも、分配割合については、必ず法定相続分(法定相続割合)どおりに分けなくてはならないというルールではなく、遺産分割協議を行い相続人全員が同意した場合には、法定相続分(法定相続割合)とは異なる分配割合で分けることも可能です。
相続順位について
相続人(法定相続人)には、民法で定められた優先順位があります(民法第887条、第889条、第890条)。
被相続人の配偶者は、他に相続人がいるかどうかにかかわらず、常に相続人(法定相続人)として遺産を相続します。事実婚(内縁)の夫や妻の場合は、被相続人と法律上の婚姻関係にないため、遺産を相続することができません。
第1順位の被相続人の子どもには、被相続人の養子も含まれます。なお、被相続人の子どもが被相続人よりも先に亡くなった場合や、相続人(法定相続人)から除外された場合で、被相続人に孫がいるときにはその孫が代わりに被相続人の遺産を相続することになります(これを「代襲相続」といいます)。
第1順位の相続人(被相続人の直系卑属)がおらず、親・祖父母の方が存命の場合には、被相続人に一番近い世代の親だけが相続人(法定相続人)となります。なお、被相続人が養子縁組している場合の養父母も直系尊属に含まれ、第2順位の相続人にあたります。
被相続人の兄弟・姉妹は、第1順位の被相続人の子どもや孫等、第2順位の親・祖父母等がいない場合にはじめて相続人(法定相続人)となります。また、被相続人より先に死亡した場合など兄弟・姉妹がいないときには、その子どもである被相続人の甥や姪が代わりに遺産を相続します(代襲相続)。
上記の優先順位が適用されるのは、遺言書によらずに遺産を分配する場合(遺産分割協議や遺産分割調停・審判等)に限られます。
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