遺産協議を行った後にやり直しってできるの?
結論から申し上げますと、原則として、遺産分割協議を行った後に、分割の取り消しややり直しを行うことは難しいです。

ただし、例外的にやり直しが行える場合もございます。
本記事では、やり直しが行える場合の条件についてご説明いたします。
やり直しに対して相続人全員の同意を得られた場合
一度有効になった遺産分割の協議内容は、相続人全員の同意があって成立しますが、やり直しの場合も相続人全員の同意を得られれば可能となります。これを遺産分割協議の解除といいます。
遺産分割協議が無効である場合その1
遺産分割協議では、相続人全員の参加が必須となります。遺産分割協議を行い、遺産分割協議書を作成する際には、相続人全員が署名捺印を行わなければ、その遺産分割は成立しないため、誰か1人でも遺産分割協議に参加していない状況で、遺産分割協議書が作成されても、無効となります。
もっとも、このような事態を防ぐために、遺産分割協議を行う前に、弁護士に相談をすることをおすすめいたします。
遺産分割協議が無効である場合その2
協議合意時に病気・怪我・障害などで本人の意思表示が難しい方が参加していた場合は、無効となります。


例えば、認知症を発症している方がいる場合、家庭裁判所に申し立てを行い、成年後見人を選任したうえで、遺産分割協議を行いましょう。
また、未成年者がいる場合、親権者が代理人として参加することは可能ですが、その親権者も相続人の1人であったり、他の相続人の代理人になっていた場合も、無効となりますのでご注意ください。
同じ遺産分割協議において、親権者も相続人として協議を行わなければならない、他の未成年者の代理人となる場合は、家庭裁判所にて、特別代理人を選任したうえで、遺産分割協議を行いましょう。
遺産分割協議が取り消しとなる場合
別の相続人の方、または第三者に脅されていた(脅迫)、嘘をつかれていた、財産を隠されている中で協議の合意をさせられた場合(詐欺)、重大な勘違いをしていた場合(錯誤)は、遺産分割協議を取り消すことができます。


この場合は、裁判所に遺産分割協議が無効であることを協議する遺産分割協議無効確認の調停の申立てや遺産分割協議無効確認訴訟を検討することになります。
ただし、取り消しについては取り消しができると知った日から5年という時効があるため、ご注意ください。
新たな遺産が見つかった場合
遺産分割協議後に新たに発見された遺産については、基本的にはやり直しではなく、新たに発見された遺産に対してのみ、追加で遺産分割協議を行うこととなります。


しかし、発見された遺産が高額であった場合や、重要度の高いものだった場合などは、相続人間で、公平に分割が行われるように、協議済みの遺産も含め、協議を最初からやり直しを行うことも可能となるケースもあります。
まとめ
本記事では、遺産分割協議のやり直しが可能な場合について、ご説明させていただきました。遺産分割協議のやり直しは、必ずしも行えるとは限りません。やり直しが可能な条件は限られております。また、一度成立した遺産分割協議において、やり直しを行うことは、容易ではありません。遺産分割協議から相続人の調査や遺産の調査、そして協議を全てご自身で行うのは、かなりの労力が伴います。








