遺産分割調停の呼出は無視していい?デメリットや対処法について解説

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遺産分割調停の呼出状が届いたら

相続が発生し、遺産分割方法について相続人間での話し合いに折り合いがつかない場合、他の相続人から遺産分割調停を申し立てられ、突然、裁判所から呼出状が届くことがあります。

しかし、裁判所が遠方であったり、指定された期日に予定があったりして呼び出しに応じることが難しい場合や、他の相続人と関わりたくないなどの理由で、そもそも呼び出しに応じたくないという方もいらっしゃるかと思います。

本記事では、遺産分割調停の呼び出しを無視して欠席することができるのかという点や、欠席した場合のデメリット、出席できない場合の対処法について解説いたします。

遺産分割調停の呼び出しを無視した場合のデメリット

遺産分割調停の呼び出しに応じるかどうかは任意ですが、呼び出しを無視することには、以下のようなデメリットが伴います。

正当な理由なく欠席すると5万円以下の過料を課される可能性がある

法律上、調停の期日に正当な理由なく出頭しない場合には、その者に対して、5万円以下の過料が課されることになっています(家事事件手続法258条1項、51条1項、同3項)。

理由の正当性については、柔軟に判断される傾向にあるため、実際に過料が課されることは極めて稀となりますが、そのような可能性があるということを覚えておくとよいでしょう。

自分の意見を主張できない

調停は話し合いの場であり、遺産分割の内容に納得できなかった相続人にとっては、自分の意見を主張できる貴重な機会となります。調停を欠席すると他の相続人との話し合いの場を失い、ご自身の希望する条件などを主張できなくなってしまいます。

調停が不成立となり審判に移行してしまう

遺産分割調停は相続人全員の合意が必要であるため、相続人間で話し合いがまとまらなかったり、相続人の誰かが欠席し続けたりすると、遺産分割調停は不成立となり自動的に遺産分割審判へ移行します。

審判では、話し合いが前提の調停とは異なり、相続人の主張をもとに、裁判官が遺産分割の決定を下します。そのため、調停を欠席すると欠席した相続人の主張はなかったものとして、望まない形での遺産分割になってしまう可能性が高いと言えます。

裁判所からの呼び出しに応じることが難しい場合の対処法

ここまでご説明したとおり、遺産分割調停の呼び出しがあった場合は、期日に出席してご自身の意見を主張すべきですが、初回の期日は、調停を申し立てた相続人と裁判所の都合で決められるため、様々な理由により出席できないこともあると思います。また、相続に関わりたくないなどの理由で出席したくないという方もいらっしゃるかと思います。

ここからは、裁判所からの呼び出しに応じられない場合、応じたくない場合の対処法についてご説明します。

呼び出しに応じられない場合

期日の延期や希望日を裁判所に申し入れる

遺産分割調停の呼出状には、「進行に関する照会回答書」という書類が同封されています。初回の期日に都合がつかない場合は、回答書に期日延期の希望や第2回期日の希望日を記入して提出するようにしましょう。

ちなみに、正当な理由で期日を欠席した場合は、調停の場で不利な決定が下されることはなく、また、仮に審判や裁判に進んでも、調停の欠席が理由で不利になることはありません。

希望の参加方法を裁判所に申し入れる

裁判所が遠方でそもそも期日に出席することが難しい場合は、電話会議テレビ会議のシステムを利用して調停を進めることができる場合もあります。電話会議などでの参加を希望する場合も、期日延期の申し入れ同様、回答書にその旨を記入しましょう。

弁護士に依頼する

調停期日は平日の日中に指定されます。平日は仕事を休むことができず、出席することが難しいという方も多いと思います。そのような場合には、弁護士にご相談することをおすすめします。

弁護士に依頼をすれば、期日への出席だけでなくそのほかの複雑な手続きを任せることもでき、また、相続人の関係が良くない場合には、当事者同士が直接顔を合わせることなくご自身の意見を主張することができます。

呼び出しに応じたくない場合

他の相続人の主張に合意する

相続について争いたくない場合などには他の相続人の主張に合意することも一つの手です。

前述のとおり、遺産分割調停は欠席者がいると不成立となってしまいます。相続について関わりたくなかったり、審判などに移行することを避けたい場合などには、他の相続人の意見に合意する旨を答弁書に記載して提出しましょう。この場合、調停期日に出席せずに、調停を終結させられる可能性があります。

相続放棄

相続人間の争いに巻き込まれたくない、遺産を受け取りたくないと言った場合には、相続放棄を検討しましょう。

相続放棄とは、亡くなった人のプラスの財産とマイナスの財産を一切受け継がないことをいい、相続放棄をした者は初めから相続人ではなかったとみなされるため、遺産分割調停の当事者から外れることができます。

ただし、相続放棄は、相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。なお、相続放棄をしないまま3か月が経過した場合には、原則として相続放棄ができなくなりますので注意が必要です。

相続分を譲渡する

遺産を受け取りたくない場合には、ご自身の相続分を譲渡する方法もあります。

譲渡の方法には有償・無償とありますが、どちらの方法でも自分の相続分を譲渡してしまえば、遺産分割調停から外れることができます。

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弁護士に依頼する

遺産分割の方法について、ご自身の言い分はあるが調停には出席したくないという場合には、弁護士への相談がおすすめです。先ほど述べたように、弁護士に依頼をすれば期日への出席はもちろん、自分の意見や希望を法的な観点から検討し、法的な根拠に基づいて主張してもらえるため、交渉を有利に進めることができる可能性があります。

最後に

突然、裁判所から遺産分割調停の呼び出しがあった場合、戸惑う方が多いと思います。呼び出しを無視することには多くのデメリットが伴うため、何らかの理由で期日に出席できない場合や、相続人の争いに関わりたくないなどの理由で欠席したい場合でも、今回ご紹介した方法を参考にご対応いただければと思います。

ご自身での対応に不安がある方は、ぜひ一度東京弁護士法人までご相談ください。

執筆者東京弁護士法人

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