はじめに
結論として、遺言書の検認は基本的に必要となります。
今回は、遺言書の検認はなぜ必要なのか、検認を行わない場合のリスクを本記事にて解説いたします。
検認が必要となる遺言書の種類
遺言書には、公正証書遺言・自筆証書遺言・秘密証書遺言の3種類がございます。この中で、検認が必要になるのは、自筆証書遺言と秘密証書遺言となります。
ただし、令和2年7月より始まった遺言書保管制度を利用し、法務局にて保管している自筆証書遺言については、検認は、「不要」となります。
検認とは
検認とは、相続人に遺言書の存在と内容を知らせること、および遺言書の捏造や変造、偽造の防止をするための手続きです。

検認を行う場合、お亡くなりになった方(被相続人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てを行います。
検認は、法律で義務付けられた手続き(民法第1004条)となりますので、自筆証書遺言を発見した、お亡くなりになった方(被相続人)より生前に預かっていたなどの場合は、速やかに検認の申し立てを行うようにしましょう。

検認をしないとどうなるのか

検認をしないとどうなってしまうの?



検認を行わないと、主に以下の3つのリスクが生じる可能性があります。
リスク① 相続人とトラブルになりやすい
遺言書を勝手に開封してしまうと、法律違反に当たり、5万円以下の過料を科せられる可能性がございます。(民法第1005条)また、他の相続人より、遺言書を捏造した、偽造したなどのあらぬ疑いをかけられて、遺言書の無効を訴えられたりなど、相続人間において揉めるケースもあります。そういったことを避けるためにも、検認を行うようにしましょう。
もし、誤って開封してしまった、もともと封がされていなかったという場合でも検認が必要となりますのでご注意ください。
リスク② 相続手続きを行えない可能性がある
今後の相続手続きを行うことが出来なくなることがあります。
例えば、預貯金の解約手続きです。預貯金の解約手続きにおいて、検認済みの自筆証書遺言や秘密証書遺言の提示を金融機関から求められます(なお、検認が行われると、遺言書の原本の最後のページに、家庭裁判所の契印が押印してある検認済証明書が綴じられますので、これが検認を行った証明となります)。 検認済みの遺言書は、預貯金のほか、不動産の名義変更、株式の名義変更などにも必要となります。
リスク③ 相続人になることができない可能性がある
遺言書があることを知っているにも関わらず、意図的に遺言書を隠したことが判明すると、相続人になることができなくなります。これは、遺言書を隠匿による相続人の欠格事由とされる可能性があります。(民法第891条5号)
検認は、申立の準備を含めると2か月ほどかかりますので、遺言書を放置せずに早めに行動をすることをおすすめいたします。
最後に
検認の申立てを行いたいけれど、お仕事などで時間がなく、書類の作成や必要書類の準備ができない場合や、検認を行った後、相続人間で争いが生じる可能性がある場合などは、専門的な知識を持った弁護士に相談することをお勧めいたします。弁護士に依頼することにより、お客様ご自身の負担が軽減されますし、困難な書類収集や手続きもスムーズに行うことが可能です。
弊所では、検認後の相続手続きについてもご相談可能ですので、まずは、お気軽にご相談いただければと思います。








