はじめに…
養育費は、子供の養育や監護のために、離婚後に離婚相手からもらえる金銭のことで、子供の生活のみをカバーするものになります。 たとえ、離婚が成立して夫婦ではなくなっても、「子供の親」であることに変わりはありません。

そのため、離婚した後、子を監護していない親(非監護親)は、子を監護する親(監護親)に対し、子供の養育のために必要となる費用を負担する必要があります。
養育費は、家庭裁判所では「養育費・婚姻費用算定表」に基づいて決めるのが一般的です。 算定表には、夫婦の収入、子供の年齢と人数により、適切な養育費額の相場観が記載されています。
ただ、残念ながら、現実では養育費を受け取れていない方も多くいらっしゃいます。実際、半数以上が養育費をそもそも受け取れておらず、継続的に払われている世帯は、母子世帯の場合で28.1%、父子世帯の場合で8.7%しかいません(厚生労働省「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」より)


養育費の未払いはなぜ起こるのか



被監護親が再婚をきっかけに、元の家庭でできた子供の養育費を支払わなくなることは少なくありません。
親と子供の扶養に関しては、民法第877条1項において、
「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」
と明言されています。 たとえ、離婚・再婚などを機に離れて生活していたとしても、自らの子であることには変わりありません。
この扶養義務は、どのようなケースにおいても付随する義務ですので、基本的に、親であれば養育費を支払う必要があるといえます。
離婚する際に、養育費の取り決めを正式に交わしていないという方も少なくありません。
このような場合、口約束や個人間での取り決めにしてしまったため、実際に支払いが滞った際にどうすればよいのか分からなくなってしまいます。
しかし、その場の流れや感情で養育費を諦めてしまうのは、将来自分や子どもが苦しむことになりかねません。


養育費を回収するためには
養育費を回収するときの最終手段は強制執行(財産の差押え)ですが、強制執行は、差し押さえる財産がどこにあるかを知らなければ、効果を発揮できません。
2020年4月より民事執行法が改正され、差し押さえる財産を知るための財産開示手続が強化されました。また、同時に導入された「第三者からの情報取得手続」では、年金・税金などの情報を取得することができるようになりました。 これらの手続により、給料の支払い元の会社を特定することが容易になったため、不当な財産隠しや養育費逃れへの対策となることが期待されています。



ただ、上記の方法などで養育費を確実に受け取るためには、離婚時に養育費の金額や期間について取り決めることが大切です。
また、養育費が支払われない状態になったら、すぐに強制執行を行い確実な養育費の回収を目指すため、離婚協議書の作成や公正証書化など、離婚時の取り決めが適切に証拠化されていることが必須です。
弁護士への依頼
弁護士に依頼することによって、離婚協議書などの書類作成を任せることができ、相手方とのやり取りの窓口となってもらうこともできます。
専門家の助けを借りれば、養育費未払い問題について法的な観点からアドバイスを受け、有利な解決とすることが期待できます。
お1人で抱え込まずに、まずは一度弁護士に相談してみてください。


