児童ポルノとは
Child-pornography
児童ポルノとは、18歳未満の男女の性交や性的類似行為、衣服の全部又は一部を着けず、性器等を露出・強調している様子を撮影した写真や動画で、性欲を刺激するものをいいます。
なお、印刷物のみならずデータも処罰の対象に含まれるとされています。
そして、児童ポルノの製造を目的として児童の裸等を撮影したり、児童と買春行為をすることに加え、児童ポルノを多数の者に提供したり、公然と陳列する行為や、児童ポルノを製造・提供する行為が禁止行為とされています。
起訴されれば
99%の確率で有罪になり前科がつく
検察官は、被疑者が罪を犯したことがほぼ確実であると判断した上で、起訴に踏み切ることがほとんどであるため、現在の日本の刑事司法のもとでは、起訴されてしまえば、統計上ではありますが99.9%の確率で有罪となってしまうことになります。
これに対し、不起訴(ふきそ)とは、起訴されないことを意味します。
①嫌疑なし②嫌疑不十分③起訴猶予の3種類が存在します。
①嫌疑なし
嫌疑なしとは、被疑者が罪を犯したとは判断されなかった場合をいいます。
②嫌疑不十分
嫌疑不十分とは、被疑者が罪を起こした疑いはあるものの、決定的な証拠がない場合をいいます。
③起訴猶予
起訴猶予とは、被害者が罪を犯したことは確実であるものの、被疑者の反省や、被害者との示談の有無、犯罪の軽重、再犯のおそれの有無などを考慮して、今回は起訴を見送るという場合をいいます。
不起訴になる確率は?
Probability
2019年の検察統計年報によると、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の不起訴率は22%であるのに対し、起訴率は78%となっています(なお、統計には、児童ポルノ事件以外の事件も一部含まれております)。
そのため、統計上の数字とはいえ、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で検挙されてしまうと、約80%の可能性で起訴されてしまうことになります。
不起訴になるための自首・示談
What to do
前提:禁止行為の有無で異なる
不起訴を獲得するために重要な要素については、禁止行為を行ったことが事実である場合と、禁止行為を行っていない場合で、違いがあります。
まず、禁止行為を行っていない場合は、弁護士の適切なサポートを受け、捜査機関に自らにとって不利な供述調書等を作成されないよう、否認や黙秘を貫いていく必要があります。
これに対し、禁止行為を行ったことが事実である場合は、自首・示談の有無、初犯であるか否か(前科の有無)、余罪の有無等が重要な要素となってきます。
示談の成立を目指す
初めての犯行であり、他に余罪がなかったとしても、行為態様や被害者の処罰感情、被害者との関係性等が考慮され、起訴されてしまう可能性もあります。
不起訴を獲得するためには、まずは、自らが真摯に反省している姿勢を示し、少しでも被害の回復を図るため、自首や被害者との示談を試みる必要があります。
弁護士同行の上で自首するメリット
なお、自首が成立するためには、捜査機関が禁止行為という犯罪事実と犯人を把握していない段階か、捜査機関が禁止行為という犯罪事実を把握しているものの犯人を把握していない段階で、できるだけ早く自首を行う必要があります。
もっとも、自首を試みたものの、捜査機関が適切に対応してくれない場合もあり、仮に捜査機関に対応してもらえたとしても、自首をしたその日に取調べが実施されることが多いため、弁護士の適切なサポートの上、自首を行うことが必要です。
示談については弁護士へ
Asking a lawyer
禁止行為の被害児童や両親に示談金を受け取ってもらうことにより、被害の回復が考慮され、より重い処分が下される可能性が低くなり、不起訴を獲得できる可能性が高まります。
そのため、いち早く被害児童の両親等と示談を試みる必要があります。
捜査機関からの指示のもと、禁止行為の被害児童や両親等と接触を試みること自体が禁止されてしまうため、弁護士に依頼をした上で、被害児童の両親等と示談を成立させる必要があります。