性的姿態等撮影罪の新設
これまでは、都道府県の迷惑防止条例により、地域ごとに処罰の範囲が異なるので、地域によって罰則や処罰の範囲が異なってしまうという問題がありましたが、令和5年7月13日に性的姿態等撮影罪が新たに施行されたことにより、全国一律に盗撮を処罰できるようになりました。よって、盗撮行為を行い、撮影罪が成立する場合、「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」と厳罰化されました。
性的姿態等撮影罪(通称:撮影罪)とは
- 正当な理由がないのに、ひそかに「性的姿態等」(性的な部位、身に着けてい下着、わいせつな行為・性交等がされている間における人の姿)を撮影すること
- 不同意性交等罪に規定する内容により、同意しない意思を形成、表明 又は 全う することが困難な状態にさせ、又は 相手がそのような状態にあることに乗じて、 「性的姿態等」を撮影すること
- 性的な行為ではないと誤信させたり、特定の者以外はその画像を見ないと誤信さ せて、又は 相手がそのような誤信をしていることに乗じて、「性的姿態等」を撮影すること
- 正当な理由がないのに、16歳未満の子どもの「性的姿態等」を撮影※
これらの撮影行為の未遂についても、処罰されることになりました。
(※) 相手が13歳以上16歳未満の子どもであるときは、行為者が5歳以上年長である場合すること
盗撮で逮捕されるケース
盗撮の被害者本人が、盗撮行為の直後に盗撮行為を行った者の腕を掴んだり、逃げるのを後から追いかけて取り押さえたときや、盗撮の被害者以外にも目撃者が多数存在するケースなどでは、捜査機関として、誤認逮捕の恐れが低いとして、盗撮の被害者や目撃者の取り押さえ行為を、適法な現行犯逮捕とみなすことが多いです。 また、現行犯逮捕されなかったとしても、防犯カメラや被害者や目撃者の証言内容などから、時間が経過してから犯人と特定されることもあります。そして、被害者の処罰感情や行為の悪質性などが考慮され、後日逮捕される可能性も十分にあり得ます。
どれくらいの期間が経過してから逮捕されるかは、一概には言えませんが、半年間程何も連絡がなかったにもかかわらず、突然逮捕されることもあります。
盗撮で逮捕されないケース
逮捕状なく、私人による逮捕が認められているのは、現に犯行を行っているか、犯行を行い終わったばかりの人に対する逮捕であれば、誤認逮捕の恐れが少ないと考えられていることによります。 そのため、盗撮行為が終わった後、しばらくたってから、被害者が盗撮行為を行ったと疑われる者に声を掛けるなどのケースでは、捜査機関として、誤認逮捕の恐れが払拭できないとして、盗撮の被害者や目撃者の取り押さえ行為を現行犯逮捕とみなすことを踏みとどまる可能性があります。
逮捕を避けるためには
以上の通り、現行犯逮捕に至らず数ヶ月が経ってから、いきなり逮捕されてしまうケースもある以上、実際に盗撮行為を行ってしまったものの、逮捕だけは避けたいということであれば、捜査機関に対し、逃亡する恐れや証拠を隠す恐れがないことを示していく必要があります。
具体的には、弁護人を選任した上で自首を試みることや、捜査機関からの取調べ等に応じること、被害者との間で示談を試みることなどにより、逃亡をしたり証拠を隠したりするつもりがないことを示すことができます。 法改正が行われたことにより、罪が厳罰化されましたので、実際に盗撮行為をしてしまったものの、逮捕だけは避けたい場合、お早めに弊所までご相談いただければと思います。
